大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)53 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人中村栄治の上告理由第一点について。

原判決は、所論審判の対世的効力を理由として、DとEとの間の親子関係を否定

しているのではなく、証拠にもとづきその不存在を認定していること明らかである。

右認定に際して甲一号証を一証拠原因とすることは、所論法条に違反するものでは

ない。論旨は採用しえない。

同第二点について。

親子関係の存否それ自体を訴訟物とする身分関係者間の訴訟は人事訴訟事件と認

めるべきであるが、この身分関係の存否を前提として発生する財産関係の訴訟は、

通常の民事訴訟事件として処理されるべきであり、右訴訟手続においては、親子関

係の存否に関する審理、判断も民訴法の規定するところに従つてなされれば足り、

人訴法の規定に従うことを要しないものと解するのが相当である(最高裁判所昭和

三八年(オ)一一〇五号、昭和三九年三月一七日第三小法廷言渡判決参照)。した

がつて、本件の場合、原審が所論親子関係の存否を通常の訴訟手続によつて審判し

たのは正当である。また親子関係の不存在は、その旨を宣言する人事訴訟事件の判

決をまたずして、民事訴訟事件において、その前提問題として別個独立に主張判断

しうるものと解すべきである(最高裁判所昭和三六年(あ)第二四八六号、昭和三

八年一二月二四日第三小法廷言渡判決参照)。されば、論旨はすべて理由なく、採

用しえない。

同第三点について。

本件は人事訴訟事件ではないから、人訴法一〇条、三二条の適用がないのはいう

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までもないところ、DとEとの間に親子関係が存在しない旨の原判決の事実認定は、

挙示の証拠関係に照らして肯認しえなくはない。論旨は、ひつきよう、原審の裁量

に属する証明力の判断、事実認定を非難するに帰し、排斥を免れない。

同第四点について。

原判決は、結局において、被上告人Bと上告人との間において抵当権設定契約を

した事実は認められないと判断しており、該事実上の判断は挙示の証拠関係に昭ら

して肯認しうる。論旨はすべて採用しえない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

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